テンカラライフ:テンカラ入門、渓流釣り初心者がゼロから一尾釣れるまで。

全くのシロウトからテンカラ釣りを始めた筆者が「初心者がゼロから一尾釣れるまで」の道筋を紹介します。

テンカラ初心者のためのアタリとアワセと取り込みについて:魚が毛鉤をくわえたらどうするの?

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狙ったポイントにセオリーどおりのキャスティングで毛鉤を送り込み、そして魚がかかったらどうするのか。この「魚がかかったらどうするのか」って、釣りの経験がない人からしたらなかなかイメージが難しい。色々とテンカラの釣り方についての情報を頭に入れ、初めての一匹に向けてイメージトレーニングを着々と進めている人でも、魚がかかったら、、、というところでイメージが途切れてしまうということも多いんじゃないでしょうか。ということで、魚が毛鉤にかかってから釣り上げるまでを分解し、待望の一匹を手にするまでの道筋をお伝えしていこうと思います。押忍!

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まずは魚が毛鉤をくわえる前段階のおさらい

魚のいるところへの毛鉤の送り込み方=キャスティングのイメージがイマイチ、という方は上記にて復習を!

そして「川のどこに魚がいるの?」というモヤモヤがあり、ポイント(=魚のいる場所)が掴みきれていない方は上記にておさらいをどうぞです。

 

テンカラでの「魚がかかった」という判断=「アタリ」、そしてそこからの「アワセ」

一般的には釣りって「針先に餌をつけて川(or海)にポチャンと沈める。しばらく待って魚がかかると、ウキが沈んでそれで魚がかかったことがわかる」ってイメージではないでしょうか?少なくとも釣りの経験がない人はそんな感じの人が多いかと。もちろん、自分もそうでした。「え、ウキがないのにどうやって魚がかかったってわかるの?」というテンカラへのシンプルな疑問。これって結構重大ですよ。ズブのシロウトから始めた自分にはよくわかります。

 

そこで、まず頭に入れることは、「アタリ」という概念。テンカラではラインの具合や水面の変化から魚がかかったことを察知するというシステム(そんな込み入ったものではありませんが、、)となっており、その「魚がかかったサイン」のことを「アタリ」といいます。そして、その「アタリ」を察知し、ロッドを操作してしっかりと魚の口に毛鉤を引っ掛ける(フッキングと言います)ことを「アワセ」と言います。

 

すなわち「アタリ」を察知して「アワセ」を入れ、そのあと手元に魚を引き寄せる(=「取り込み」と言います)こと。この3つの操作が、魚がかかってからの行動となります。

 

では、上記3つの要素について、一つづつ解説していきますね。そもそも「魚がかかったらどうするのか?」という質問自体が釣りをしようとしてるのになにそれ、と思う方もいるかも知れませんが、いいんです、一個づつ理解しながらゆっくり進んでいきましょう。自分も思いっきりどうしていいか最初はわからなくて手ほどきを受けた人を質問攻めにしました。釣れたらどうするの?って。釣りに来たくせに。笑

 

アタリについて:「ラインの変化」と「魚の出現」

では、さっそくアタリについて解説していきますね。

テンカラの釣りでは、大きく分けて以下の2つの観点からアタリを取る(魚がかかったことを感知する)のがセオリーです。

1:ラインの変化

2:魚の出現(=水面の変化)

と、この2つですね。感覚的に言うと、渓流テンカラではどちらかというと「ラインの変化」でアタリを取ることが多いように感じます。水面の状況がはっきり見えて魚が毛鉤を食いつくところまで目視できるという状況は源流域に近いそれなりに流れが速いフィールドで釣る自分には少ないケースです。9割方ラインの変化でアタリを見ています。

 

ラインの変化に見るアタリ:ポイントは違和感と抵抗

まずはラインの変化から見るアタリ。「ラインが止まる」「ラインが沈む」「ラインが何かに引っ張られる」、そんな感じのラインの変化がアタリになります。初心者ならではの感覚のヒントは「根掛かり」ですね。「これ魚がかかった!」という感触→ロッドをピシッと引き上げる→根掛かりでがっかり、このルーティン、ビギナーには頻発することかと思います。

 

でも、その根掛かりの感触って結構アタリに近いんです。とにかく、上記のような「止まる」「沈む」「引っ張られる」、そんな感じの感触がラインを通して伝わってきたらグイッとロッドをあおってピシッと毛鉤を引き上げてみましょう。違和感が大事です。そこで思いも寄らず引き上げた一匹、生涯忘れられない至高の思い出となります。

 

ちなみに早期は特にイワナは渓流の深めの箇所にいることが多いので、ラインの変化でアタリを取ることが頻発する傾向があります。ふーむ。

 

魚の出現に見るアタリ:バシャっと出るかユラッと出るか

5月〜6月あたりのテンカラの盛期になるとよくあるのが、水面に毛鉤を打ち込んだ瞬間にバシャッと水面に魚が現れ、一目見て一撃で魚が出たことがわかるというパターン。または水面直下で毛鉤を見ているとスイッと唐突に魚が現れ、毛鉤にアタックしてくるというパターンも。

 

それでも、初心者のうちは魚の出現パターンのアタリについてはあんまり意識しなくていいかと思います。ちゃんとしたテンカラのハウツーでは怒られそうですが、正直、初心者のうちって毛鉤が水面のどこを流れてるかなんてわかりません。ただ、ラインで見るアタリよりは圧倒的に魚が出たことがわかりやすいので、そんなに意識せずとも対応はできるかと。ただし、この魚が現れるケースは下記にて解説する「アワセ」についてちょっと注意が必要です。理由は後述のアワセの解説にて!

 

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アタリからのアワセ:何はともあれ、しっかりとロッドをあおってアワセを入れる!

上記のようなアタリがあったら、ロッドを素早く頭の上あたりまで引き上げ、ラインを引っ張り上げて毛鉤をしっかりと魚の口にフッキングします。この「ロッドを素早く頭の上あたりまで引き上げる」動作、どこかでやった覚えがありませんか?そう、これ、キャスティングの前半動作と同じです。ですから、慣れてないうちはとりあえず、一回一回のキャスティングで振り上げの動作をアワセも意識した感じで行うのがオススメです。アタリに気づかず、ただの毛鉤のピックアップの動作だったつもりが魚がかかってた、なんてことも最初のうちはしばしば。これも熟練者からしたらなんとルーズな、と思われるかも知れませんが、何より釣れるということが大事なんでそんな感じで最初はオーケーです。お気楽にいきましょう。たまらないんですよ、アワセを入れてグッと魚の重みと躍動感がラインとロッドを伝って手に来る感触が。

 

そして、ラインの変化のアタリでは上記の感じでだいたいオーケーですが、魚が見える系のアタリについては、バシャッという水面の変化や魚が毛鉤に食いついたのを目視してから、ワンテンポ置いてアワセを入れる方がしっかりと毛鉤をフッキングすることができます。犬や猫に噛まれたら反射的に「イテッ!」って手を離しますよね?変な話ですが、しっかりと犬や猫に手を食わせるなら反射的に手を引っ込めずに置いておくと、食いつきガッツリ、手を離しにくくなるかと。そんな感じで、ガッツリと食わせるために、「かかった、あードン!」とワンテンポ置くのが吉。「早アワセ」「遅アワセ」と言われますが、現在は「遅アワセ」が主流とされています。

 

いずれにせよ、怪しいかなーと思ったらしっかりとロッドをあおってアワセを入れるのがポイントです。不意のアワセとなったとしても、それで釣り上げた経験がアワセを上手にしていくので。いいんです、「釣った」じゃなくて「釣れた」でも。渓魚との出会い、それが釣り方より全然大事でしょ?最初は「釣れちゃった」で全然いいんです。まじで。

 

取り込みについて:なるべくロッドの操作で手元に引き寄せる

さて、しっかりとアワセを入れ、魚の口にガッチリとフッキングをしたらいよいよ取り込みです。ポイントは、できる限りロッドの操作で魚を手元に引き寄せてくるということ。リールのないテンカラでは直接ラインをたぐって魚を引き寄せる形になりますが、逃げようとする魚の推進力で手に持ったラインがピンッと張り、そこから生まれた抵抗によって魚の口から毛鉤が外れてしまう(=「バラシ」とか「バラす」とか言います)ということが多々あります。ロッドのしなりを使用した取り込みだとロッドが逃げ回る魚の衝撃をうまい具合に吸収し、毛鉤の刺さった方向とは逆ベクトルの力が生まれにくくなります。ただし、ラインをゆるめるとバラシに繋がりやすいのでロッドをしっかりとあおってラインをピンッと張った状態をキープ。そのままロッドを操作して手元まで魚を引き寄せ、ランディングネットに入れ込みます。最後はどうしてもラインを手繰り寄せることになりますが、それもできる限り手短にスピーディーに行うのがバラシを防ぐコツです。

 

一期一会の出会い、アタリとアワセを楽しもう

アタリとアワセと取り込み、イメージが湧いて来ましたか?コツンというアタリに対してピシッとタイミングよくアワセを入れ、手元に魚の感触が伝わってくるのは最高に気持ちがよく、ある意味テンカラのトロの部分がそこだと思います。そしておそらく、誰でも最初の一匹はかかった魚以上にアワセた人間の方が軽くパニックになります。ただ、その感触でテンカラの虜になること請け合い。上記の情報を頭に入れながらも、最初はまぐれのアタリ、まぐれのアワセで全然オーケー。

ここまでわかればもう渓流に出て大丈夫!川探し、釣行準備に入りましょう!

 

それではみなさま、素敵なテンカラライフを!

 

このページはテンカラ初心者向け入門講座の3−3です。

次の節:4-1:テンカラのシーズンについて:各月ごとの渓流釣りのフィールド状況とコツまとめ

前の節:3-2:毛鉤を打ち込む渓流のポイントと流し方:テンカラキャスティング実践

入門記事もくじはコチラ:初心者のためのテンカラ渓流釣り入門記事まとめ

 

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