毛鉤放談。「毛鉤は何色がいいの?」という疑問を持つテンカラ一年生も多いかと思いますが、完全に気分の問題ベースで毛鉤の色を黄色にしたら調子が良く、これってテンカラ始めたての人におすすめできるんじゃない?と思いましたのでその理由などをつらつらと。
「黄色の毛鉤ってオシャレじゃね?」から始まったけど実用性は高し
自分は「なんとなく黄色の毛鉤ってオシャレじゃね?」という身も蓋もないような理由で使い始めました。ほら、ロッド:ライン:毛鉤のシステムの中に差し色でルミナスカラーの黄色があるとなんとなくオシャレ感が出るじゃないですか。
今までは石垣尚男さんの「バーコードステルス毛鉤」を参考に、ボディは黒、ハックルは茶色と定番のカラーの毛鉤を愛用していました。釣果についても申し分なく、上記のように色を変えた毛鉤を巻いてみたのはほんと気分の問題です。なんとなーくスタイリッシュというかオシャレというか。毛鉤巻きの時の気分転換にもいいかなくらいの軽いノリで。いざ巻いて実際に渓流に持っていって使ってみた結果、これってテンカラ始めたての人にちょうどいいんじゃない?と思いまして。
黄色の毛鉤がおすすめの理由その1:根掛かりから回収しやすい
これ。これがもうビギナーに黄色の毛鉤をおすすめする全てと言っても過言ではありません。初心者に頻発する根掛かり。落ち込みを流した時や、なんとなーく瀬を流している時にラインに不意に抵抗を感じ、パシッと合わせを入れるも根掛かり。これってガッカリですよね(小林製薬のCMみたいな文脈ですが、、、)。
アタリもどきだったガッカリに加え、さらには根掛かりの現場に立ち入ることで周囲のポイントを諦めなければならないことも重ねた合わせ技の失意のもと、毛鉤を回収に向かいますがダークカラーの毛鉤だとどこに引っかかったのかが分かりにくく、やや回収に苦労します。
ですが、黄色の毛鉤だと根掛かりの箇所に回収に行った時に毛鉤のありかが比較的わかりやすい。とっても地味ではありますが、これって結構うれしい効果かと。
黄色の毛鉤がおすすめの理由その2:どこを毛鉤が流れているのか見つけやすい
初心者にはとにもかくにも、自分の毛鉤がどこを流れているのか分かりにくいものです。源流に近い水域で、流れが急峻だったりするとなおさら。
毛鉤が見えない前提でラインやロッドを握る手のかすかな感触の変化でアタリを取ることもほとんどで、「見える」ことが釣果に直結するわけではありませんが、「どこをどう流れているか」が見えやすいというのはビギナーにとっては水流の変化や、流れの速さ等の判断の経験を積むのにはとってもいいように思います。
もちろん、黄色だからといって流している状態が全部見えるわけではありません。黄色を使っている自分でも、毛鉤を目で追えない状況の方が多いです。それでも、たまたま流れが非常に穏やかだったりする瀬に毛鉤を打ち込んだ時に「このくらいの水流の感触だとこのくらいの深さをこのくらいのスピードで流れるのか」というモニタリングができるというか。それを見ておくことで、毛鉤が目視できない箇所でもおおよその流れている状況のイメージができるようになるというのは経験値として大きいかなと。
釣果というより毛鉤の流れのモニタリングによる経験値の蓄積。これが黄色の毛鉤をおすすめする2つめの理由です。
黄色の毛鉤がおすすめの理由その3:釣果についても問題なし
黄色が特別釣れるというわけではないとは思いますが、先日の釣行ではしっかりと黄色の毛鉤でイワナを引き出すことができました。
ある意味証拠写真ですね。笑
ストマックポンプでイワナの胃袋を探ってみるとわかる通り、小さな木クズや砂つぶなんかでもエサのように感じたらとりあえず口にしてみるという傾向を持っている渓魚に対し、「なんとなくエサっぽいものが流れてきた」と思わせればいいというのがテンカラの毛鉤に対する考え方。すなわち、色に対しては何色でもおそらく大丈夫。であれば、人間にとって都合の良い色でいいんじゃないかなと。上記のとおり、黄色は渓での視認性がよく、ビギナーは積極的に採用していい色ですよ。自分も引き続きこの黄色の毛鉤を使っていこうと思います。
ハンドメイドがいいけど、市販ならこのあたりがおすすめ
ということで市販の黄色の毛鉤を探してみましたが、スタンダードな黄色の毛鉤ってなかなかないものですね、、、購入するとしたらこのあたりになるかと。自分が普段使っている毛鉤のサイズは#12ですが、それより少し小さい#14でももちろん実釣に問題はないかと思います。
実は自分で巻いちゃうのが一番手っ取り早いかもしれません。いろんな色やらタイプやらを気軽に試して自分にハマるスタイルの毛鉤を見出すのもまた毛鉤巻きの魅力ですし。
それではみなさま、素敵なテンカラライフを!