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テンカラライフ:テンカラ入門、渓流釣り初心者がゼロから一尾釣れるまで。

全くのシロウトからテンカラ釣りを始めた筆者が「初心者がゼロから一尾釣れるまで」の道筋を紹介します。

テンカラ道具考#02:OPINELのカーボンスチールナイフ No.9/レビューと感想

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テンカラそしてアウトドアにまつわる道具の美しさとスタイルに着目しご紹介する「テンカラ道具考」。#02はフランス製のプロダクト、OPINEL(オピネル)のカーボンスチールナイフ No.9です。

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「機能美」と「シンプル」、テンカラと良い道具

道具とデザインの関係性を考えた時に、やっぱりまずキーワードになるのは「機能美」。人間が使う道具である以上、使い勝手が良いというのは第一義ですよね。そしてシンプルで使い勝手の良い道具というものはそこに美しさというものが生まれてくるんじゃないかなーと。

 

さて、「機能美」と「シンプル」というキーワード。この段階でお気付きの方もいらっしゃるかとは思いますが、これってテンカラのコンセプトそのものですよね。「機能美」と「シンプル」。

 

ということで、ナイフという直接のテンカラの釣り道具ではないこのOPINELのプロダクトを紹介したいと思ったわけです。機能美という美しさ、その思想性を考えるとテンカラとの親和性も高いんじゃないかなと。

 

直接関係ないとはいえ、源流派のテンカラの人にはナイフは必須の道具。渓泊ならもちろん調理の必要もあるわけだし、万が一の備えとしてバッグに放り込んである人も多いことかと。自分も釣行の時には必ずバッグの中に入れてあります。釣り上げたイワナをさばいてその場で刺身にして食べたりとか、包丁を使ってももちろんいいんだけど、折りたためるぶん手軽に扱えるっていうのもあるし、フォールディングナイフで魚をさばくっていう行為そのものがまたオツなものでして。

 

生まれは1890年のフランス、ニューヨーク近代美術館にも収蔵のナイフ

さて、OPINELのこのフォールディングナイフ、wikipediaによると原形は1890年にフランスの鍛冶職人ジョセフ・オピネルによって考案され、以来基本的なデザインは継承されたまま現在まで生産が続き、「世界で最も美しい100のプロダクト」に選出されたり、ニューヨーク近代美術館の収蔵品にもなっていたり、、とそれだけで物欲をそそられますよね。OPINELのナイフは大きさによって名称の番号が変わっていきますが自分が愛用しているのはNo.9。畳んだ状態で長さ12cmほど、伸ばすとブレードは9cm程度で重さは60g弱。握った感じもちょうど手に収まるくらいで釣行時の用途としては必要十分なスペックです。軽いのっていいよね。ブナ材のハンドルの質感もよく手に馴染む。ブレードの付け根のリング状のロック機構もシンプルな作りながらしっかりと機能してくれます。

 

さて、いろんなアウトドアショップで目にすることも多いこのOPINELのナイフ。冒頭の画像を見て、「あれ、ブレード(刃の部分ですね)が黒い?」とお気付きのあなた、なかなか鋭い!これ、DIYで黒錆加工を施してあります。OPINELのフォールディングナイフにはステンレスとカーボンスチール(炭素鋼)と二種類の素材のラインナップがあり、錆に強いのがステンレス、切れ味鋭いのがカーボンスチールとされていて、カーボンスチールのモデルに錆対策として黒錆加工を施すというのが(あくまで局地的にですが)スタンダードとなっています。実際的な特徴を鑑みてというよりも「モノとして付き合う面白さ」という観点からカーボンスチールを選ぶ人が多いような気も。平たくいえば道楽ですね。

 

黒錆加工のやり方は以下の動画がとってもわかりやすいです。

 

紅茶と酢という入手しやすいものでお手軽に黒錆加工ができるのもいい。動画ではブレードを外してヤスリがけを行い、ブレードの開閉をしやすくしていますが大変そうだなという人はそこまでしなくても大丈夫かと。ロックリングはステンレス製なのでブレードを普通に引き出しでジャボンと紅茶酢につけても黒錆加工自体は可能です。ただし、ブレードの開閉が固いのは(個体差もあるかもしれませんが)事実。自分が使っているものも最初は激烈に固かった(タオルを挟んで歯で噛んで引っ張り出さないとダメなレベル)ですが、使い込んでいくうちに柔らかくなっていきました。あんまりこういうのに不自由を感じないんですよね。道具に自分を合わせていくことも必要だと思うというかなんというか。ともあれ「自分のもの」とするカスタマイズ感がお手軽に感じられ、道具を自分を近づけていくことができるので黒錆加工、オススメです。気楽に使えるのはステンレスなので、もちろんそちらのチョイスもアリ。

 

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美しいマスプロダクトの意味

さて、モノとしての美しさとは別に、このOPINELのナイフが素敵だなーと思うのは「定番」で「入手容易」で「安価」という点。この3つ、密接に関わっています。ガレージブランドや「知る人ぞ知る」ブランドで素晴らしいデザインのプロダクトを作っているところはナイフに限らずたくさんあり、自分の個性にあったブランドを探し出すのにも大きな楽しみはあると思うのですが、おおよその傾向性としてそういうガレージブランドのプロダクトって割高なんですよね。「こだわっている」からこその素材の価格というのももちろんあると思いますが、そこには市場の原理も働いていて。少数受注生産だからこそ、どうしても生産コストがかさみ、価格は素材の原価と乖離して跳ね上がってしまう。マスプロダクトの価格に慣れている消費者からすると、「いいけど高い」という印象を持つというのが正直なところなんではないでしょうか。

 

重ね重ね、少数生産の素晴らしいプロダクトを否定する気はありません。事実、野心的というか良心的というか、真摯に物作りと向き合っていて素晴らしい道具を生み出しているガレージブランドさんはたくさんあります。だけど、「素晴らしい道具」を「マスプロダクト」として実現させ、流通量多く、そして安価に消費者に届くようにする。「いいものを作る」というビジョンに「いいものを広める」というミッションが乗っかって、良心あるマーケティングというか、これってすごく崇高なんじゃないかなと。フランスの老舗が作る、美しいフォールディングナイフ。これが実売価格2,000円前後くらい(2017年4月現在)で町のアウトドアショップにてそれなりに簡単に手に入るってものすごく意味のあることだと思います。ニューヨーク近代美術館所蔵のプロジェクトがこんなに手に入りやすいって。

 

使い倒すことで体と心に馴染んで行く道具

そして、道具というのは使ってこそナンボ。所有しているすることを鼻にかけて「これ入手が難しい限定品なんだぜ」みたいなのって自分はあんまり好きではありません。実際に使用する行為そのものにささやかな満足感があり、渓流での素晴らしい時間と思い出をともにした仲間としての道具。あの夏、あの瀬で釣った1匹をさばいて調理したその時の空気感まで道具を通じて思い出したりね。そんな経年劣化というか、日々を経て物理的にも形而上的にも自分に馴染んでいくもの。そういうものとして存在する由緒正しいクラシカルなナイフってとってもいいなーと。ナイフってプリミティブな意味で、原始の道具の根源=狩猟の道具って点で見てもなんというか人間の人間たる根源的な欲求とつながっているというか、自分の生命を預ける存在としてのあり方みたいなのにまで意識が行くというか。

 

ともあれ手と心にしっかりと馴染む、OPINELのNo.9。手にして損はありませんよ。

 

 

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燦然と輝くMADE IN FRANCEの刻印。由緒のあるものが手元にある喜びをかみしめつつ、ガンガンに使い倒しましょう。

 

それではみなさま、素敵なテンカラライフを!

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