テンカラトリップ釣行記。長野県の北端、栄村を流れる志久見川へ。初夏の新緑をまるっと楽しむ素敵なテンカラトリップとなりました。
めずらしく非単独釣行。奥信濃の栄村へ!
さあ、長野市部では藤の花も咲き始め、いよいよテンカラの盛期。今回は渓流釣りに興味があり、試しにトライしてみたいという友人を誘い珍しくソロではない釣行。せっかくだから友人の住む長野北部の奥深さを体験しにいこう、、、ということで行き先は長野県最北端の村、栄村を流れる志久見川へ。
志久見川、そんなに有名な川ではないですが、なかなかに魚影が濃く渓相も良さそうで、そのわりには釣り人の数は少ないっぽい。というのも、関東圏からのアクセスがお世辞にも良いとは言えず、近隣に秋山郷を流れる魚野川、越後湯沢を流れる魚野川(どっちも魚野川なのね、、、)という人気河川がある関係で遠方からきた人はそっちに行きがちという事情がありそう。われわれのように長野ネイティブで人気河川にはあまり食指が動かず(ヘタクソだから人気河川で釣れる気がしないというのが本音)、「形而上的竿抜け」を狙う偏屈者にはちょうど良い渓流かなと。
というわけで長野市〜飯山市を抜け、栄村へ。前日に降った雨と雪代の影響で増水傾向が強く、渡渉も難儀しそう。ポイントを絞り込めばビギナーでもなんとか最初の一匹は手にすることができるかな、、、と予定通り入渓。駐車ポイントからは林道歩きを30分ほど。そう、イワナは足で釣るものなのです。
ビギナーにレクチャー。10分でマスター。即釣れる。なんだこれ。
入渓してまず渡渉の必要があり、渓流ビギナーの友人はその水流の強さに驚いた模様。確かにある程度経験がある自分でも一人で渡るには難易度の高い水流でした、、、でも安全に配慮することが大事、ということを最初の段階で身を持って感じたののはいいことなんじゃないかと(前向き)。山深い谷だったけど、ちょうど良さそうな開けたフィールドを見つけて友人にキャスティングのレクチャー。
こんな感じのなかなか源流感のあるフィールド。源頭が豪雪地帯の野沢温泉エリアということもあって春の訪れは周りよりちょっと遅いかな。
友人へのレクチャーではテンカラがどんな釣りかについては行きの車中でざっくり伝えたのでフィールドでは竿の振り方とキャスティングのポイントの伝達。最初は力加減がわからないようでしたが、後ろ、前への竿振りではなく、目の前での竿の横振りで「竿をしならせることを意識する」「バックキャスト、フォワードキャストとラインが伸びきることを意識する」「竿が寝ないように意識する」ようにアドバイス。「あまり器用な方ではない(友人談)」人でも、テンカラはものの5分〜10分くらいでなんとなくキャスティングができるようになっちゃうんですね。このお手軽さがテンカラの魅力。
こんな記事でテンカラキャスティングをまとめています。興味を持った方はゼヒ。
そして、毛鉤を打ち込むポイントについては「白泡が立っている落差のあるポイントの横のたゆんたゆんとゆるやかに水が流れている場所」というざっくりとした伝え方。友人は「周りより水の流れがゆっくりしている場所」と解釈したようで、「あそこどうかな?」と言う場所はだいたい狙い目のポイントでした。河川の規模が小さく、水流も強かったから逆にポイントが絞り込みやすかったのかも。
テンカラの毛鉤を打ち込むポイントについては上記の記事でご紹介。
と、そんな感じでキャスティング練習もそこそこに毛鉤をラインとハリスにつないで実釣。「とりあえず、良さげなポイントに毛鉤を3秒くらい流して回収、キャスティングを繰り返す感じ。あそこの渦っぽく流れてるとこ、良い感じだからしばらくあそこ狙って毛鉤を打ち込んで流して慣れてみて」と伝え、まずはキャスティングに慣れてもらうことに。何十回か同じポイントに打ち込み、ようやく慣れてきたっぽいな、、、と見ていたところ小さめのイワナがヒット!
友人大喜び。自分はびっくり。え、こんなに簡単に釣れちゃっていいの?っていうか、何十回も同じ場所に打ち込んでから釣れるなんてことあるの?自分のスタイルだと数回毛鉤をポイントに流して反応がないとどんどん次のポイントへ、、、という釣り方だけど、1つのポイントで粘りつよくチャレンジするという釣り方もアリなんですね、、、テンカラが「十人十色」「一人一派」だということを身にしみて感じました。のんびり屋の友人には性に合っているスタイルなんでしょう。いやいや、友人のおかげで自分のテンカラの知見と幅がさらに広がりました、、、
こぼれ話:竿の反発について、天平テンカラがビギナーにウケた
今回の釣行では友人に竿を貸すということだったので、複数の竿を持っていったのですがテンカラ初挑戦の友人が「これが一番振りやすい」と選んだ竿はシマノの天平テンカラNB LLS36。
友人いわく「この竿だとしなる感覚がつかみやすい」とのこと。他に持っていった竿が3.3mと2m台の竿だったので、長さがある分、3.6mの天平テンカラがしなりやすかったのかも、、、という側面もありますが、改めて自分も比較して振ってみるとレベルラインにも十分反発が乗りやすい竿なんだなーと再認識しました。「短ければ振りやすい」というわけでもないんですね。この点も勉強になりました。
自分も負けてらんないっす。いつものラン&ガンで手にした居着きのイワナさん。
ということでめでたく友人も初釣果があったということで自分も負けてらんない。のんびりスタイルの友人に対抗すべく、ラン&ガンスタイル、攻めのキャスティング(自分、右手でも左手でも竿が振れるのとフライフィッシングも嗜むのでビギナーにしては結構キャスティングの幅が広いんです、ボサかぶりの源流に行くことがほとんどなので、、、ロールキャスト多用という、、、)で釣りあがっていく。そこそこのサイズを一発バラした後に落ち込み脇の緩流からイワナさんゲット!
志賀高原での初めての釣果を思い出す、お腹が黄色くて体側の色が濃いおそらく天然物。顔もきゅっと小顔というか長さのない愛嬌のある表情で、この山域のイワナのこの感じ、大好きです。
その後もう一尾を加えて自分は納竿、友人の第二の釣果のためにサポート。増水のためにポイントも絞られ、ボサかぶりのためキャスティングもままならない場所が多く、残念ながら釣果を追加できずにタイムアップ。いやいや、最初の釣行で一尾でも釣れたんだから上出来でしょ!何回か登山を一緒に楽しんでいる友人でもあるので林道歩きも心地よく楽しめ、大満足で退渓しました。
温泉もテンカラトリップの醍醐味。松之山温泉「鷹の湯」へ。
と、せっかくだから初釣果の記念というか、テンカラトリップ気分を楽しむために温泉も寄って帰っちゃおうと盛り上がり、県境をまたいで新潟県十日町の松之山温泉へ。調べてみると有馬温泉、草津温泉と並んで「日本三大薬湯」に数えられるというこの松之山温泉。有馬、草津と並んで称するなんて、なかなか思い切った打ち出し方をしてるなーと思いつつ、実際に温泉につかってみると体の芯から温まるよい泉質。「化石海水」というすごいんだかすごくないんだかよくわからない代物らしいですが、塩分強めの素敵な温泉でした。温泉街のこじんまりとした鄙びた雰囲気もグッド。
こちらの立ち寄り湯「鷹の湯」さんにお世話になりました。地元の人が多いようで、いい感じの風情を楽しめます。
ということで山歩き、渓流釣り、温泉と楽しみ尽くした奥信濃(と新潟)のテンカラトリップ。さて、次はどこの山を楽しもうかなー。
それではみなさん、素敵なテンカラライフを!
おまけ。ドライでイワナが釣りたくって今回の釣行ではエルクヘアカディスを用意して行きましたが増水で流れが強いコンディションだったため使用しませんでした、、、次回こそは!