脱初心者を目指すあなたのためのお役立ちテンカラTIPSシリーズ。#08はバーブレスフックのススメ。
バーブをレスしたフックでユー釣っちゃいなよのススメ
バーブレスフックとはなんぞや?と思う方もいらっしゃることと思いますが、冒頭の画像を見ればわかるかと。一般的な釣り針には「バーブ(=「カエシ」と呼ぶことが一般的ですね)」と呼ばれる針先とは逆方向のトゲがついています。そのバーブを省略した針が「バーブレスフック」。バーブをレスしたフックです。説明になってないような気もしますが頭脳明晰なテンカラ紳士の皆さまならわかっていただけることかと。
バーブ(カエシ)の意義はバラシ対策。ですが、、、
と、じゃあなんでカエシがついてるの?という疑問が出てきますよね。カエシがあると魚の口に釣り針が刺さった時に抜けにくくなり、バラシ(魚にかかった針が外れること)が起きにくくなるという利点があります。一般的に見ても釣り針というと冒頭のイラストのように先端が矢印状になっているというか、カエシの存在が釣り針を釣り針たらしめているようなイメージもありますよね。
バラシが少なくなるならついてたほうがいいんじゃない?と順当に考えたらそうなりますが、、、デメリットもありまして。キャッチ&リリースを前提に考えた時に、バーブレスフックと比較してカエシつきの釣り針は魚体に与えるダメージが大きいんです。おそらく実際に体験したことがある方はわかると思いますが、ガッツリ食いついたカエシ付きの針を魚の口から外すのって結構大変。「フォーセップ」というペンチとハサミの合いの子みたいな針外しの道具もありますが、これを使っても慣れるまでは一苦労。
あ、釣り針はどっちを使うのであれ、フォーセップは持っていてもいいかと思います。どちらにせよ魚体へのダメージは最小限に針を外すことができるので、、、
と、魚体に与えるダメージが小さくなる、、、というのが一般的に見たバーブレスのメリットですが、それ以外にも初心者の方にこそバーブレスをオススメする理由がいくつかあるんです。
初心者にバーブレスフックをオススメする理由その1:安全性が高い
テンカラ始めたての人はキャスティングやタックル(釣り道具のことですね)の扱いに慣れていないため、ロッドを振っているうちに顔の近くを毛鉤がかすめていく、、、そんな怖い経験をしたことがある人も多いんじゃないかと。さらに言うと、自分の身に毛鉤が刺さるという不幸に見舞われてしまうことも、、、
もちろん、上記のような不幸が起きないに越したことはないのですが、もし人体に刺さった際、カエシつきのフックだとダメージも甚大です。無理やり抜こうとすると傷口の損傷が広がるため、貫通させてカエシ部分をカットしてから針を抜くという荒療治が求められてしまうという。不要な怪我を防ぐ意味でもバーブレスを採用する価値は大です。
初心者にバーブレスフックをオススメする理由その2:根掛かり、枝掛かりの回収が比較的ラクになる
これが実は初心者にバーブレスフックをオススメする一番の理由です。慣れないうちは魚を掛けるより枝や水中の障害物に毛鉤を引っ掛ける事の方が圧倒的に多いんじゃないかと。カエシは魚はもちろん、万物に対しても抜けにくいもの。引っ掛けた枝やら根っこやらから毛鉤がなかなか外れない、これって初心者にとってはなかなかストレスです。バーブレスだと比較的根掛かりや枝掛かりからの毛鉤の回収が容易になります。
ハリスの扱いにも慣れていないから、「毛鉤をロストして付け替える」って初心者にとっては結構ストレス。そのストレスを回避する意味でも、バーブレスフックであなたのテンカラをスムーズにしてみてはどうでしょうか?あ、もちろん、自分の服とかランディングネットに毛鉤が引っかかった時にもバーブレスのほうが断然外しやすいです。
初心者にバーブレスフックをオススメする理由その3:手返し(or釣りのペース)が早くなる
これも大きい理由。念願の渓魚を釣り上げた!記念撮影していざリリース、、、の際にカエシつきだと魚から針を外すのに手間取る。魚は痛そうだし、早く次のポイントにキャスティングをしたいし、、、うん、そんなストレス不要ですよね。サクッと釣り上げる。よろこぶ。しばし見とれる。写真を撮る。山の恵みに感謝してスムーズに毛鉤を外してリリース。この淀みないスマートな所作、良くないですか?不要な手間が省けるというのは釣行時の大きなメリットですよ。ほら、一刻でも早くポイントを攻めたいし、一投でも多く毛鉤を流したいじゃないですか。その意味ではバーブレスが釣果にも一助になるんじゃないかと自分は考えています。
こんだけガッツリいっててもバーブレスなら大丈夫。すんなり外してリリースできます。
いろいろメリットはあるのはわかったけど、、、バラシがもったいない、、、いやいや、バラシはバーブではなくテクニックの問題!
と、メリットはわかるものの、それでもせっかくかかった魚をバラシちゃうのはもったいないよな、、、そう思う気持ちもわかります。でもね。カエシの有無でバラシの率に有意な差はない、、という調査結果もあるようです。自分の経験から言っても、バラシはカエシの有無より、フッキングの甘さや取り込み時のテクニックによる部分が大きいように感じています。バーブの有無ではなく、ヘタクソだからバラしちゃう。そんな見解を自分も支持します。アワセを入れたらしっかりとテンションをかけて魚を疲れさせて取り込む。バーブレスだからこそそのあたりの所作に慎重になり、結果としてスキルアップにもつながるんじゃないかと。
と、そんな感じで初心者にこそメリットの大きいバーブレスフック。試してみる価値はあるかと!
ちなみに市販のテンカラ毛鉤でバーブレスだとこのあたりかな。
「ヤマメまっしぐら」とうたっていますが、もちろんニジマスにもイワナ狙いでも全然大丈夫かと。
自作となるとこのマルトのc47がオススメ。自分もこのマルトc47、サイズ#12を使って自作毛鉤を巻いています。
と、本記事で自作毛鉤について興味を持った方は以下の記事で自作にチャレンジしていってみましょう!自作毛鉤、巻くのも楽しいしメリットいっぱいですよ。
それではみなさま、素敵なテンカラライフを!